令和7年3月に大浜海水浴場において、株式会社マリン・ワーク・ジャパン様による自律型無人ボート(ASV)の実証を行いました。
本実証は、ASVを用いて大浜海水浴場の状態がどのようになっているのか、ASVの能力はどのようなものかを把握することを目的に実施しました。
なお、日数が限られている中で強風の影響により、一部区間のみの実証を行いました。
洲本市では、今後も安全で快適な海水浴場環境の維持・改善に向けて、先進技術の活用を進めてまいります。
実施日:令和7年3月26日
調査範囲:海水浴場内の一部(約70m×60m)
使用機材:ASV(RTK搭載、前方・水中カメラ、ソナー等)
参加機関:兵庫県水産技術総合センター、県内企業3社
・調査範囲内の水深は概ね1.0m〜2.5m。
・1.5mより浅い区域では等深線が海岸線と並行でない箇所があり、砂の流入が示唆される。
・海水浴場全体(約200m×600m)をASVで調査するには、約24時間を要する見込み。
・今後の効率的な調査のためには、特に等深線の乱れが見られる箇所に絞った重点調査が有効。
実証当日は、ASVの操作性や性能について意見交換が行われ、ROV(遠隔操作型無人探査機)に関する情報共有も行われました。参加者からは技術的な関心や実用性に関する質問が寄せられ、有意義な交流の場となりました。
当日の写真は以下のとおりです。
ASVとはAutonomous Surface Vehicleの略で、自律型水上車両、自律型高機能観測装置などと訳されます。
無人で海上を航行し海洋調査する無人艇を指し、母船からの無線通信による遠隔操縦及び事前のプログラミングによる自動航行により海洋調査を行います。
現在では、平時には火山噴火や地震等自然災害、有事には機雷の捜索や偵察など、有人では危険な海域での調査を可能とするものですが、将来的には完全自律型海上輸送や自律型深海鉱物探査などができるようになると期待されています。
株式会社マリン・ワーク・ジャパンでは、AIを活用したウニの密度マップや緯度経度を付した藻場の生育状況の監視、撮影した映像と観測した測深から3D化など多彩に活用しています。
全長×全幅×全高(mm) | 2,262×954×1,408 |
連続稼働時間 | 1.5~4.0時間程度(海況及び測線による) |
通信規格 |
4G-LTE |
位置即位 | RTK |
監視装置 | 前方カメラ、水中カメラ、ソナー(水深・地形監視) |
制御機能 | 自律航行、定点保持、測線設定、遠隔操作 |
安全機能 | 緊急時停止機構 |
拡張インターフェース | LAN、DC24(V) |
作業環境 | 気温:0~40(℃) |
株式会社マリン・ワーク・ジャパン(Marine Works Japan Ltd.)<外部リンク>
神奈川県横須賀市追浜東町三丁目54番1号
「海を知る」、「地球を知る」をモットーに、海洋・地球科学観測、データ・試料の分析並びに管理等の技術提供等を通じ、科学研究に貢献する企業。
海中のボーリング調査や水棲生物の養殖、海洋観測機器類の加工・制作・販売など、主に海洋調査事業を軸としており、気象庁や海洋研究開発機構、国立極地研究所といった機関と共に、海洋観測や調査業務を行っている。
JAXAの探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った粒子の分析も実施し、論文も発表している。