自動運転バスの実証運行について
自動運転バスの実証運行について
事業概要
洲本市では、持続可能な交通体系の再構築や、観光回遊性の向上による関係・交流人口の拡大、賑わいの創出による地域経済の活性化などを目指して、自動運転バスの実証運行を実施します。
本事業の背景とねらい
洲本市は淡路島の中央に位置し、古くから島の政治・経済・文化の中心として発展してきました。しかし近年は人口減少が進み(令和7年9月末時点で40,366人)、淡路島3市の中で唯一の「人口消滅可能性自治体」とされています。特に古くからの漁師町である由良地区では高齢化率が50%を超え、交流人口の維持・拡大が喫緊の課題となっています。
また、地域住民の通勤・通学・通院・買い物などを支える公共交通においても、運転手の高齢化や人手不足、マイカー依存による利用者減少など厳しい状況にあります。さらに、高齢ドライバーによる交通事故の割合は2022年時点で32.6%(兵庫県平均21.2%)と高く、今後は免許返納者の増加が見込まれる中、「車がなくても安心して暮らせるまちづくり」の実現が求められています。
一方で、自然、歴史、文化、食など多彩な観光資源を有する本市には、毎年多くの観光客が訪れています。特に洲本温泉を中心に宿泊者数は年間60万人を超え、温泉街と商業エリアを有機的に結ぶなど市内の観光回遊性を高めることで、新たな観光需要を喚起し、市全体の賑わいが創出される大きな可能性を秘めています。(令和7年10月には、地域周遊の促進と中心市街地の活性化を目的に、多様な関係者の連携のもと、夜間に温泉街と繁華街を結ぶ無料シャトルバス「すもとシャトル」の実証運行を実施しました。)
こうした背景を踏まえ、洲本市では、地域の暮らしを守りながら観光の魅力を高め、洲本市全体の賑わい創出につなげることを目指して自動運転バスの実証運行を行います。
具体的には、今年度は、観光資源や行政、商業、医療などの都市機能が集まる中心市街地と、高齢化が特に顕著な漁師町の由良地区を結ぶ既存路線を中心に、日中は由良線、夜間は温泉街と市街地を結ぶルートで、計2ルートを走行します。
この取組を通じて、住民の満足度向上、観光客の来訪促進、宿泊・飲食・商業の活性化、交通サービスの需要拡大による交通事業者の投資促進、物流の効率化など、まち全体の発展と笑顔あふれるまちづくりを目指します。
実証概要
実施主体:洲本市
運行主体:淡路交通株式会社
車両・システム:先進モビリティ株式会社
事業検証:株式会社建設技術研究所
走行区間:
(日中)洲本バスセンター〜由良中学校前(往復4便)
(夜間)海のホテル島花〜洲本市役所(往復4便)
自動運転区分:レベル2(運転士が乗務し、緊急時などに手動運転へ切り替えて走行します)
※今年度は、持続可能な収益モデルの構築を目指し、バス車内に防災備品や海産物などを積載する“物流融合(貨客混載)”の実験も行います。
詳細な運行ダイヤは下部のチラシをご覧ください。
※走行時に着座定員を超過する際には、手動運行に切り替えて走行することがあります。
出発式
日時:令和7年11月14日(金)午前9時00分〜(午前8時40分受付開始・車両見学等を実施)
場所:淡路交通旧洲本車庫(兵庫県洲本市栄町1丁目2番9号)

自動運転バスを活用した防災訓練及び貨客混載による物資輸送ついて
洲本市は、自動運転バスを活用し災害時の備蓄物資(アルファ化米・保存パン)の輸送訓練及び地元の由良町漁業協同組合と連携した海産物(乾燥海苔「こっちゃの海苔」)の物資輸送を行いました。
自動運転バスを活用した上記の取組は、基礎自治体が単独で行うものとしては、全国初の取り組み(※)となります。
今後も、洲本市では地域の暮らしを守りながら観光の魅力を高め、洲本市全体の賑わい創出につなげることを目指し、様々な取り組みを行ってまいります。
※ 令和7年11月14日時点 洲本市調べ
災害備蓄物資受け取りの様子
由良町漁業協同組合の職員による物資積み込みの様子
こっちゃの海苔
自動運転バスを活用した防災訓練について
将来発生すると言われている南海トラフ地震をはじめとする自然災害に備えるため、洲本市では災害備蓄物資の分散配置をはじめとして、様々な対策を実施しています。
近年、災害時に人による物資輸送が危ぶまれる地域に対してドローン等を活用して物資輸送を行うことが想定されており、洲本市内においても民間企業による実証が行われたことがあります。
今回は、その一環として自動運転バスを活用し、市街地から由良地域までの物資輸送を行いました。
自動運転バスを活用した貨客混載について
自動運転バスの社会実装には、多くの費用が必要となります。住民を対象とした輸送のみでは赤字になることが想定されるため、洲本市では10月に観光需要を取り込むことを目指した温泉街と繁華街を結ぶシャトルバス「すもとシャトル」の実証運行を行ったところです。
今回、更なる持続可能性を追求するため、「人」と「貨物」を同時に輸送する貨客混載の実証を地元の由良町漁業協同組合と連携して行いました。
由良町漁業協同組合は多くのブランド魚介を産出しており、その海産物は洲本温泉街でも使用されており、産品の一つである「こっちゃの海苔」も多くの愛好家に親しまれています。そこで、由良町漁業協同組合から海産物(乾燥海苔)を販売のために市街地へ輸送するという想定の下、実証を行いました。





